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2015年08月25日

遊んで暮らす

 今日も売れなかったらしい、明日から値下げになると言う。セリーが目の前で売れていったのがかなりショックだと書いてあった。
 セリーは励ましのメールを書いた。それとここの様子、ひどい女の子の専属になっPretty renew 呃人て大変な事、しかし、その子のために頑張るつもりだと書いた。
 次のメールはバッサラからで、夜十二時から彼の部屋でセリーの歓迎会をしてくれるという。みんないい人、いいアンドロイドばかりで本当によかった。カレンだって本気でぶつかれば分かってくれそうな気がした。
 時々、ネットワークでカレンの部屋のカメラに繋いでカレンの様子を確認した。おとなしく眠っている。今日、会ったばかりなのにカレンがいとおしくてたまらない。あんなひどい子のどこがいいのか、アンドロイドは愛情豊に作られているのだとつくずく感心してしまう。
 テレビは戦争の話をしていた。どうやら世界は二グループに別れて対立しているらしく、Pretty renew 呃人今にも戦争になりそうだと解説している。どうして人間は戦争が好きなんだろう。

 夜十二時、バッサラの部屋で歓迎会が始まった。
 アンドロイドが十台も集まると部屋がいっぱいになってしまう。それでも人間のいない楽しいひと時だった。コックのアンドロイドが簡単な料理を作ってきてくれた。それをみんなで食べる。食べても、お腹の袋に入るだけなのだが楽しい気分になれた。
 アンドロイドは味覚がわかるように作られていた。特にコックのアンPretty renew 傳銷ドロイドには必須だが、いつ人間のために料理をしなければならなくなるかわからないので、アンドロイドには味覚が備わっていた。
 お酒を飲んで酔っ払った気分になるアンドロイドもいた。もちろんお酒を飲んでもお腹の袋に入るだけなので酔っ払うはずはないのだが人間のように酔っ払ってみるのもおもしろかった。
「この家はお金持ちなんですか?」
 セリーは聞いてみた。
「ああ、かなり裕福な方だ」
 バッサラが教えてくれる。
 ここの社会では、働くのはアンドロイドやロボットだった。生活に必要なものは全部ロボットが作っている。だから人間は基本的に働く必要がなかった。だから人も大勢いたが、生きがいを求めて働く人もいた。働くといっても芸術や創作など人間がやることに意味がある仕事だ。
 お金は政府が全国民に毎月一定額を配布していた。こうやってロボットが作ったものを全員に平等に分配するのだ。ただし、アンドロイドが発明される以前の資産はそのままだった。資産がある人はその使用料が収入になるし、芸術などが売れるようになればそれが収入になった。だから貧富の差はあって、ラン家は裕福な方になるらしい。
「ここは大きな農園を持っている。その収入が相当な額だ」
 コックが得意になって説明してくれる。
「でも、あたしが逃げたら、もう罰金は払えないんでしょう」
 さっき旦那様が言っていた言葉が気になった。
「あれは、カレンをおどすためさ、充分に払えるよ。なあ」
 コックはバッサラに同意を求めた。
「まあ、払えるな」
 バッサラは頷く。  


Posted by 一紙凝殤 at 15:41Comments(0)

2015年08月14日

相場でさえ



「いやいや。全然たいしたことはありません。北島さんなら、こんななければ、かなり儲《もう》けられたでしょうね」
「まさか。私なんか、昔から経済には疎くて、今の公定歩合が何パーセントかも知らないくらいです」
 高梨は、笑いながら首を振った。
「そんなことは知らなくても、いっこう差し支えないですよ。必要なのは、人の心に対する洞察力だけです。あなたなら、まさに打ってつけかもしれない」
「そんなものなんですか?」
 早苗は、半信半疑だった。
「証券会社からのニューズレターなんかをご覧になったこ高壓通渠とはないですか? 株式市場の動きを記述するのに、どういう言葉が使われているか見てみれば、よくわかりますよ。たいがいこんな具合です。市場のセンチメント[#「センチメント」に傍点]は、弱気と強気が交錯[#「弱気と強気が交錯」に傍点]。先行き不安感[#「先行き不安感」に傍点]から、神経質な[#「神経質な」に傍点]値動き。大量の不良債権の存在を嫌気して[#「嫌気して」に傍点]の投げ売り。輸出の伸びを好感して[#「好感して」に傍点]、下値で買いが入る。景気回復の遅れを悲観して[#「悲観して」に傍点]急落。こうした言葉から、あなたは、どんな人々をイメージしますか?」
「ううん……もちろん比喩《ひゆ》なんでしょうけど、感情的な表現が多いですね」
「ところが、単なる比喩とばかりも言えないんです。実際に、株式市光學脫毛場での値動きを見ていると、きわめて情緒に流されやすく、衝動的に行動する女性ばかりが売買しているように見えてくるから不思議です。……いや、女性|蔑視《べつし》のつもりはありませんけどね」
 早苗は軽く高梨を睨《にら》んだ。
「女性イコール感情的だというのは、偏見ですよ」
「その通りです。実際、株式投資を行っているのは、大部分が男性ですから。それも、かなりの知識と経験を積んだ人々が多いはずなんです。にもかかわらず、彼らの行動は、非常にヒステリックで気まぐれです。まるで、暗闇《くらやみ》の中で右往左往している群衆のような感じですね。ちょっとしたデマが飛んだだけでも、たちまちパニックに陥る」
 人間というのは、一人一人は賢くても、群衆になったとたんに愚かな行動をとる傾向がある。株式市場の熱気は、人の理性を麻痺《まひ》させる効果があるのかもしれないと、早苗は思った。
「こうした人々を動かすのは、経済理論でも、長期的なビジョンでもない。わかりやすい物語なんですよ」
「物語?」
「個々の株価を左右する、もっともらしいストーリーです。画期的な新製品を開発した。その製品に致命的な欠陥が見つかった。巨額の簿外債務が発覚した。社長が地検に取り調べられた。外資からM&Aの申し出を受けているらしい。などなどです。しかも、彼らは、そういった物語が真実かどうかにすら関心がないんです。ただ、それが一雪纖瘦時的に株価を押し上げ、彼らが売り抜ける間だけ破綻《はたん》せず、市場で通用してくれれば、それでいい。あるいは、逆に株価を引き下げてくれれば……」
 高梨は、ティーカップを持ったまま、薄く笑った。
「僕が最初に株に手を出すようになったのは、証券会社の営業マンのしつこい勧誘に根負けして、NTT株を引き受けてからですが、それをきっかけにして、興味を持って市場の動きを見るようになりました。すぐに、これは経済学が律する世界ではないと直感しましたよ。市場は明らかに、経済学ではなく、ゲームの理論と心理学によって動いている。人間の心理を見通す力がある人間には、儲けるのはたやすいのではないかとね。参加者のうち多数がどちらを選択するか、売りか買いかを、一瞬早く予測できれば勝ちというわけです」
「心理学ですか……」  


Posted by 一紙凝殤 at 13:26Comments(0)旅行代理商

2015年08月06日

のは嘘だと言



 怖くて触れられなかった部分。どうして怖いと思うのか…彼がその傷を、親を捨ててきたことをいつか後悔することが怖かった。自分のことしか見えないのは、自分のほうだ。優しい上辺しか見えなかった。拒絶しない裏側にあったその思いに、不安に気づけなかった。
 彼は自分を守ってくれた。色々なことから。では自分には願景村 邪教彼に何ができるのだろう。
「僕には君が必要です」
 震える彼の耳に、はっきりと告げた。
「人の言葉は関係ない。僕には君が必要です」
 強く抱きしめて、混乱したようにポロポロと泣く彼の頭を撫でた。
「君は僕に嘘をついていいんです。誤魔化しても、卑怯でも、ずるくてもいいんです。だから…無理をしないでください。僕のために正直であろうと思わなくていいんです。男の恋人がいるって、家に帰ってもいい。それで僕は傷ついたりしません。僕は甘やかすだけでなく、甘えてください。頼りない男かもしれませんが、君を支えられるように頑張るので…」
 次の言葉は…言おうかどうしようか迷った。いつかそれを彼に切り出されたら、あとに引けなくなる。弱い心にムチを打って、松下は躊躇いを振り切った。…そうならないように努力する、彼に捨てられないように努力する。
「そして…いつか僕に飽きたら、ほかに好きな人ができたら容赦なく捨てていってください。あとのことや、それからのことを考える必要はありません。君にはそれだけの自由があるんです」
 しがみついてくる彼を抱きしめた。たまらなく愛しいと思うと同時に、自分を勇気づ願景村 邪教ける。口にしたことを守れるだけの心の強さを持てるように…。
「言葉を溜め込まずに、なんでも言ってください。怒っても、怒鳴ってもいい。不都合なことは二人で話し合って、改善策を考えまそう。僕は君とずっと長く続けていきたい」
 彼は何か言ったけれど、小さすぎて聞こえなかった。問い返すと、彼は首を振って松下の胸に顔を押しつけた。『先生の未来がほしい』そう言われたような気がしたが、確かめる術はなかた。


 高校の同窓会が行われたのは、吉本智が就職して六年目のゴールデンウィークだった。案内が来たのは二月で、実家から転送されてきたハガキにチラッと目を通したあと、不参加の欄に丸をつ願景村 邪教けて机の上に置いたまま忘れていた。一週間ほどたって夕食を食べている時、恋人の三笠高志が不意に『なあ、同窓会のハガキ、来た?』と聞いてくるまで。
「そういえば来てたな」
 三笠の作った、不味い親子丼を口に運びながら返事をする。一緒に暮らし始めて六年になるが、何年経ってもこの男は料理が上手くならない。最初のうちは文句を言っていたが、そのうち口のほうが慣れてしまった。不味いと思いながらも胃袋の中にはすべておさまる。食事は週ごとの当番制で、よしも緒がもっぱら出来合いのものを買ってくるのに比べれば、自炊をする三笠はマメなほうだった。  


Posted by 一紙凝殤 at 15:14Comments(0)旅行代理商